葬儀受付・言葉のかけ方

【葬儀・お葬式 受付の仕方】
葬儀の受付はご遺族の代理ともいえる役割です。どんな準備が必要で、具体的に何をするのか。一般的な内容と流れを覚えておきましょう。
〖受付係とは〗
葬儀に参列された方を出迎え、芳名帳に記入してもらい香典を預かったり返礼品を渡すことなどを行う係の方のことです。受付を行うのは基本的に葬儀社や葬儀場のスタッフではなく、主催者(ご遺族)からお願いされた方が受付係を行っています。
〖受付係について〗
受付係は弔問者や参列者をお迎えする係です。お香典を預かり、芳名帳に記帳してもらうだけでなく、細々とやるべきことが多数あります。
一般的には近所の方や会社関係の方が受け持つことが多いようです。
受付係を頼まれた場合には身なりを整えるのはもちろん、ご遺族の代理としてお越しの皆様に向き合う心構えでのぞみましょう。
〖受付係の役割と流れ〗
①事前準備
式の流れや会場の配置、動線を把握します。
芳名帳用の筆記具を整えます。黒の筆ペン,ボールペン,サインペンなど複数のタイプをそろえておきましょう。
②受付
弔問者や参列者の挨拶を受け、お香典を受け取る
弔問者がお悔やみの言葉とともに、お香典を差し出してきます。受付係はご遺族の代理として「本日はお忙しいなかお越しいただき、ありがとうございます」というように、弔問に来てくださったことに対するお礼を伝えましょう。
お香典を受け取る際は「お預りします」といい、両手で受け取り、一礼します。
③記帳をお願いする
「恐れ入りますが、こちらにお名前とご住所をご記入ください」と声掛けし、芳名帳に記帳していただきます。
④返礼品(粗供養品・会葬御礼)をお渡しする
⑤供物や弔電を受け取る
弔問者が供物や弔電などをお持ちの場合は、お礼を言って受け取り記帳します。その後でお供物は会場係や葬儀社のスタッフに渡し、祭壇にお供えしてもらいます。弔電は司会者や進行係にわたします。
⑥お荷物や上着をお預りする(クロークがある場合)
⑦お香典を会計係に渡す
受付が済んだら会計係にお香典を渡します。通常、会計係は受付の後方で作業しています。香典泥棒の被害にあわないようにお金の取扱いにはくれぐれも注意しましょう。
〖受付係をする時の注意点〗
お焼香は弔問者の頃合いをみてご案内があります。
また、弔問者から化粧室や駐車場の場所を尋ねられることも多いので、案内できるようにしておきましょう。葬儀の規模によっては、受付係が式場の案内係を兼ねることもあります。受付が済んだら式場へスムーズに向かえるよう、「式場・控室はあちらです」などお声掛けをし、誘導しましょう。

【お悔みの言葉のかけ方】
故人の死を悼む気持ちをお伝えするお悔やみの言葉にはマナーがあります。失礼にならぬよう、避けるべき言葉などはしっかり覚えておきたいものです。
〖お悔みの言葉のかけ方〗
お悔やみの言葉とは、弔問時に大切な方を亡くしたご遺族に対して思いやりをもってかける言葉です。「このたびはご愁傷さまでございます」「お悔やみ申しあげます」などのような言葉が代表的です。
『愁』は物悲しさを意味し、『傷』は強い悲しみを意味します。
〖お悔やみの言葉について〗
愛する家族の死に際し、遺族は深い悲しみを感じていらっしゃいます。
お悔やみは故人の死を悼む気持ちを込めながら、短めに伝えるようにします。
故人と親交が深かった場合は特に想いがあふれ、いろいろ伝えたくなるかもしれませんが、遺族の負担を増やさぬよう配慮しましょう。
声のトーンは抑えて小さめの声で挨拶するのが基本です。
死因や故人の年齢によってお悔やみの言葉をかえることもありますが、こちらから死因を尋ねるのは控えましょう。
一般的なお悔やみの言葉としては「このたびは誠にご愁傷さまでございます。心からお悔やみ申し上げます」といったものがあります。
〖宗教面におけるポイント〗
お悔やみの言葉は信仰する宗教によって変わる場合があります。宗教によって死に対する考え方が異なるためです。
たとえばキリスト教では、人の死は『悲しい終わり』ではなく、『神のもとに召される、祝福されること』という意味を持ちます。
このことからキリスト教の葬儀は神に感謝し、故人を偲ぶ式典になります。お悔やみの言葉としては「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」が一般的です。
このように考え方が宗教によって違いますので、参列する際は配慮しましょう。
〖お伝えするタイミング〗
お悔やみの言葉をいつどこで伝えるかによって、添える言葉がかわります。たとえば葬儀の受付では基本的なお悔やみの言葉につづけて「お参りさせていただきます」や仏式なら「ご焼香をさせていただきます」といった言葉を添えます。
通夜で通夜ぶるまいに呼ばれ退席するときは、受付で「おもてなしに預かりました。今日はこれで失礼いたします」と伝えます。
葬儀に参列できずに後日喪家を訪ねる場合は、一般的なお悔やみの言葉の後に参列できなかったことを詫びる言葉「あいにく仕事で遠方におりご葬儀に伺えず、失礼をお許しください」と添えます。そのうえでお参りさせていただきたい旨を伝えましょう。

【その他知っておくべき事柄(注意点など)】
お悔やみの言葉として不適切な言葉があります。『重ね重ね』など不幸が重なることを連想させる言葉,『死亡』『急死』など直接的な言葉は使わないように注意しましょう。
・不幸が重なることを連想させる言葉(忌み言葉)
『重ね重ね』『たびたび』『ますます』『もう一度』『引き続き』『繰り返し』
・直接的な言葉は言い換えをしましょう。
『死亡』『死去』『死ぬ』『亡くなる』 ⇨ 『ご逝去』『他界される』
『急死』『事故死』 ⇨ 『急なことで』『突然のご不幸』
『生きる』『生存中』 ⇨ 『ご生前』『お元気なころ』